平成25年財政援助団体等監査報告書

東京都監査委員は、本日の平成26年第一回都議会定例会に、「平成25年財政援助団体等監査報告書」を提出しました。

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監査の概要

(1)監査の目的 

都が財政援助(補助、出資等)をしている団体が、財政援助の目的に沿って適正かつ効果的に事業を行っているか検証すること

(2)監査対象

147団体

(3)監査の結果

指摘事項60件、指摘金額約1億2,891万円

(4)主な指摘等事例

多数の利用者がいる文化施設で、避難経路を塞ぐように重量のある大型のプランター を設置していたもの(財政援助団体等監査報告書P.4)

不特定多数の観客等が利用する文化施設において、避難経路上に避難の支障となる物品が設置されており、避難経路が適切に確保されていない。公益財団法人東京都歴史文化財団が指定管理業務を行っている東京文化会館において、非常時の避難経路について見たところ、避難経路上に、不特定多数の観客等が一斉に避難するのに支障となりうる大型のガラス繊維強化セメント製プランターが複数設置されていた。 また、生活文化局は、平成24年度に、都立文化施設指定管理者施設管理運営状況の委託調査において、「避難経路に物品あり」との指摘を受けていたにもかかわらず、財団に対して、避難経路の管理を徹底するよう指導していなかった。財団に対し、安全確保のため避難経路を適正に管理することを、局に対し、財団を適切に指導することを求めた。

算定誤りにより補助金を過大に交付していたもの(財政援助団体等監査報告書P.5)

補助金の対象となる利用者数を誤ったことや、補助要件を満たしていないものを申請したことにより、補助金が過大に交付されている。

ア 公益財団法人東京都体育協会に対する、国民体育大会東京都選手団のユニフォーム作成費用に係る補助金について、補助対象外であるトレーニングパンツの購入費用を含めていたことから、407万余円が過大に交付されている。
イ 保育所を運営している社会福祉法人に対する補助金について、延長保育の利用児童数や、アレルギー児への対応や外国人児童の受入れに係る加算対象児童数を誤ったほか、在宅支援活動において補助要件を満たしていないものについて、補助金の申請を行ったなどの理由により、19団体22施設において、合計1,354万余円が過大に交付されている。
各団体に対し、過大に交付された補助金について、返還を求めた。

公園の指定管理者が点検で異常があるとされた遊具の修繕を行わなかったもの(財政援助団体等監査報告書P.6)

修繕又は対策が必要とされた公園内の遊具について、対策がとられておらず、安全性が確保されていない。
駒沢オリンピック公園の指定管理者である公益財団法人東京都スポーツ文化事業団は、公園内の遊具の定期的な点検を、年2回、専門業者に委託している。 しかしながら、平成24年に「異常があり、修繕又は対策が必要(修繕完了まで使用不可、場合により使用可)」と判定された22件の遊具のうち、5件について、基礎が露出したままであるなど修繕が行われていなかった。
公園内の遊具の安全性を確保するため、事業団に対し、適切な対応を速やかに行うことを求めた。