平成22年随時監査報告書(東京オリンピック・パラリンピック招致に係る事務の執行について)

監査の概要

監査の対象は、
東京オリンピック・パラリンピック招致本部(以下「本部」という。)の招致活動事業
特定非営利活動法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会(以下「委員会」という。)の補助対象事業

監査の結果

2016年東京オリンピック・パラリンピック招致活動として、本部が実施した財務に関する事務等の執行に係るもの及び委員会の出納その他の事務の執行で都が行う財政的援助に係るものについて、着眼点ごとに定めた監査手続に従い監査を実施した結果、概ね適正に執行されていることが認められた。 なお、契約事務等の一部について、事務執行上留意すべき事項が、次のとおり認められた。

1 本部の契約における競争性の確保について(本文P.17)

本部が締結した特命随意契約について見たところ、
① 契約額全体に占める特命随意契約の割合が86.9%、
② 特命随意契約の相手方のうち、A社を相手方とするものの割合が、特命随意契約全体の金額の91.1%となっていた。
本部は、特命理由として、熾烈な国際競争を勝ち抜くという特殊な目的をもった事業であり、A社が数多くの国際競技大会の招致、運営の実績のある唯一の事業者であることなどを挙げている。
特別の事情があったことは認められるが、結果的に、特命随意契約の相手方が特定の事業者に集中している状況となっていることから、本部は、契約の公正性、競争性及び経済性を確保するという観点から、事業者の選定方法等について、より一層、慎重に検討することが求められる。

2 補助金及び分担金の対象契約における競争性の確保について(本文P.19)

本部は、委員会が締結した契約のうち、補助金や分担金の対象となるものについて、補助金交付要綱や協定書に契約の方法を定めるなど、可能な限り競争性の確保に努めるべきである。

3 招致活動に伴う資金前渡等の事務処理について(本文P.21)

① 旅行者が同一地域に滞在する場合、その滞在日数に応じて、日当の一定割合が減額されることとなっているが、本部では減額せずに支給したものがあった。
② 旅費の概算払いの精算は、旅行終了後速やかに行わなければならないが、遅延しているものがあった。
③ 資金前渡を受けた場合は、用件終了後5日以内に精算を行わなければならないが、1ヶ月以上経過後に行われていたものがあった。

平成22年随時監査報告書(東京オリンピック・パラリンピック招致に係る事務の執行について)(PDF 79KB)